
♪人はー人とー別れて〜 あとでー何をーおーもーう〜
♪鳥はー鳥とー別れて〜 雲にーなる 雪にーなる〜
そんな切ない鳥たちを、雲にでも雪にでもなく、揚げ物にしてイヤと
いうほど食わせる定食屋が、仙台は八木山の奥深くにあった。
それがこの「定食の佐々久」だ!
・“手榴弾”と呼ばれる、握りこぶし大の唐揚げが5つも乗った「から
揚げ定食」
・“手榴弾”3つにさつまいもの天ぷらを容赦なく追加した「さつまい
も天定食」
・“ザーカイ”の意味がよく分からないが、とにかく鳥肉の天ぷらが、
これでもかというぐらい積み上げられた「ザーカイ天定食」
・ どの定食も、まるで仏壇に上げるような、山盛りでしかも型くずれ
しないようにしっかりと固められた、超大盛りのどんぶりメシ
・ 付合せは、タバスコ?だけで味付けされた、スパゲティのようでス
パゲティではない真っ赤な辛い食べ物と、これまた山盛りのキャベツ
・ そして極めつけは「きのうの残り物」で作った?とても外食してい
るとは思えない、友達の家で夕飯をよばれたような「あ、うちの味と
違う」と思わせる何ともいえぬ味噌汁。これぞある意味、真の「家庭
の味」だ。
これだけの量、はっきり言ってとても食いきれません・・・。食って
る途中で、何でカネ払ってまでこんなツライ思いをしないといけないん
だ、という思いに駆られることウケアイ。
それに加えて、普通の鳥肉でこんな手榴弾なみの大きなから揚げが作
れるワケがない。材料はダチョウか?エミューか?ロック鳥か? はた
また、女川原発近くで放射能をふんだんに浴びて巨大化したブロイラー
なのか? ふと、そんな不安が頭をよぎる、600円〜700円台とい
う安さも魅力的だ!
さぁキミも、この定食の佐々久で鳥肉を思う存分食って体力をつけた
ら、杉田かおるの名曲を口ずさみながら、腹ごなしに100キロ走って帰
ろう!

キミは昔、食べ物を粗末にすると「世の中には食べたくても食べられ
ない人がたくさんいる」と叱られたことはないだろうか?
だがしかし、世の中には「いくらお金を積んでも食べられないもの」も
また存在する。とくと見よ!それがこの「ドリフのぞう煮」だ!
志村けんとアイドル歌手とが扮する、ねずみ小僧が小判を投げていく
ような貧しい家庭の、しかも正月限定のコントでしか食べられないとい
う、この幻の「ぞう煮」。
今では「志村けんのバカ殿様 正月SP」でしかお目にかかれない、
貴重なメニューだ。
さぁキミも、この「ドリフのぞう煮」を夜中にこっそり食べて、「こ
んな姿を嫁に見られたら・・・」という、スリルも一緒に味わってみな
いか?!

♪運転手はキミだ、車掌はボクだ
キミも幼かったあの頃は、か細い電車ごっこのヒモにつかまりながら、
「いつかは本物の電車を運転してみたい!」と、小さな胸を大きな夢で膨
らませていたはずだ。
しかし今、夢としか思わなかった幼いあの日の壮大なロマンが、現実と
してボクらの目の前にやって来た。
それがこの、小樽にあるホンモノの鉄道線路を利用した「オトナの」電
車ごっこだ!
ひとたびこの電車の列に加わればホ〜ラ、車窓に広がる北海道の雄大な
自然ならぬ観光客の冷たい視線も忘れ、一気に現実から甘美な自分だけの
世界へと逃避して、キミはこう叫ぶだろう。「夢はきっと叶う」と。
見よ、この電車に乗り、喜悦に満ち満ちたオトナたちの表情を!
♪30代はキミだ、子持ちはボクだ
♪家庭も忘れ シュッポ シュッポ シュッポッポ
さぁキミも、この一見危うい電車の片道切符を手に入れて、後戻りので
きない「破滅」という名の終着駅を目指してみないか?!

♪パンのようで パンでない(ベンベン)
♪まんじゅうのようで まんじゅうでない(ベンベン)
♪それは何かとたずねたら、、、
そんな「笑点」のお題のような夢の食べ物、それがこの、小樽でしか売っ
てないのに小樽一おいしいと称される、幻の「西川式ぱんじゅう」だ!
商店街に面したガラス貼りのカウンターの中で、そのソフトなネーミン
グとは裏腹に、無骨なオヤジが焼き上げるこのぱんじゅう。
中を割ってみればホ〜ラ、均等に1ミリ幅以下に整えられ、美しくそれ
でいてカリっとこんがり焼かれた薄皮はまさに芸術的。「西川式」と呼ぶ
にふさわしい気品さえ漂う。が、その中はすべてあんこの塊。パンもまん
じゅうもまるで関係ない、西川オリジナルだ!
ひと口食べれば「お茶!お茶!」と、まるで罰ゲームでわさびたっぷり
の寿司を食わされたジェリー藤尾のように水分が欲しくなるマイルドな甘
さが口いっぱいに広がり、丸ごと1コ食べれば、もう糖尿ロードへまっし
ぐら。
ちなみに、このぱんじゅうは思ったよりも熱いから、食べるときヤケド
をしないように独特の持ち方があり、これもまた「西川式」。
さぁキミも、石原裕次郎の「第二の故郷」として知られる小樽でこの西
川式ぱんじゅうを食べて、「第二の故郷とはありがたいもんです!」とオ
レンジ色の着物で叫んでみないか?!

この四季の彩り美しい日本に生まれた者ならば、誰もが一度は夢見るこ
と、それは言わずもがな、ヤクルトを腹いっぱい飲んでみることである。
そして、そんな我々日本人の壮大な夢を叶えてくれる飲み物、それがこ
の超巨大乳酸菌飲料「ビッギー」だっ!!
本家ヤクルトが内容量わずか65mlであるのに対し、われらのビッギーは、
なんと夢の500mlを達成。一本グイっと飲みほせば、オリゴ糖の甘さで胸
焼け必至。食物繊維など入っていなくても、翌朝の下痢は折り紙付き。拭
きすぎで、お尻の周りもちり紙付きだ!
このビッギーを飲んでさえいれば、腸内でビフィズス菌が大暴れして、
かの「男はつらいよ」シリーズにおいてタコ社長として親しまれた個性派
俳優・太宰久雄も、もうちょっと長生きできたかも知れない?!
さぁキミもこのビッギーを飲んで、しがない印刷工場の社長を目指して
みないか?!

全国“出たがり夫婦”の夢、それは「花の新婚カンピュータ作戦」、、、
もとい、「新婚さんいらっしゃい」に出場することである。
そして、一部下ネタも織りまぜながら日本中のお茶の間に自分をさらけ
出し、自分たち夫婦はおろか、TVを見ている親族の赤面をも引き換えに
して手に出来るのが、この夢の品々だっ!
・ こんなにいっぱい、何の出汁をとったらいいんだろう?というほど大
量のかつおぶし。
・ ミキプルーンはいいとして、カタギの人はあまり必要としないプロテ
インなどを含む、定価にすると10万円分?!ぐらいある超豪華栄養補
助食品の数々。
・ 昔から名前は耳にしていたが、もらってみると想像していた以上に普
通のアルバムだったフエルアルバム。
・ すべてアドリブのように見えて、意外と存在する「台本」。
・ 実は収録日の前泊がそのホテルというだけで、実際にもらえるわけで
はない「ディナー付宿泊券」。
・ そして極めつけは、年齢や体型と無関係に送られてくる、どうしてよ
いか一番困ってしまうロマン吉忠の「ブランド」シャツ。
会場でのウケがイマイチだった日には、収録後に「何であそこであんな
こと言ってしまったんだ・・・」と反省しきりで、夫婦げんかになること
ウケアイさ!
さぁキミも、そんな「新婚さんいらっしゃい」に出場して、あまりの恥
ずかしさから、実家から「TV見たぞ」との電話も掛かって来ない気まず
い状況を体験してみないか?!

キミはいつしか、バーベキューといえば、小奇麗なキャンプ場や河川
敷に椅子を並べ、真新しいコンロで炭をおこして缶ビールで乾杯、それ
が常識だという一種のマインドコントロールに掛かってしまってはいな
いか?
もしそうなら、日本の焼き肉の象徴である橘家円蔵が許しても、お隣
韓国の国民的歌手チョー・ヨンピルが黙ってはいない。ソウルの仁川空
港からやって来たにもかかわらず、「釜山港へ帰れ」なんて言われかね
ないぞ。
見よっ! これが正調(?)韓国式バーベキューだっ!
・ キャンプ場ではなく、玄関を出てすぐの自宅の庭に、惜しげもなく
敷き詰められた新聞紙
・ バーベキュー専用に常備されている(?)“おあつらえ向き”な椅
子のような謎の台
・ 七輪でもなくコンロでもない、必要以上に年季が入った、まるで鉱
山からでも発掘してきたように黒光りする、アヤシゲなバーベキュー
器具が2台!
・ そして極め付けは、自宅で肉を切り味付けまでしたという、なぜか
ピンクのタライに満杯の巨大骨付き霜降肉!
ちなみに親戚のおばちゃんは、この肉を称して「天然のカルビ」と
言っていたが、韓国には「人工のカルビ」もあるのだろうか?! 謎
が謎を呼ぶ。
さらに、焼肉を食べたあとは、どっかで見たことがあるようで、どこ
か違うようなジュースで喉を潤すのが、本場韓国式バーベキューの掟。
さぁキミも、この韓国式バーベキューを食べて、もう、サッポロポテト
「バーべQあじ」では満足できない体になってしまおう!

NHK「プロジェクトX」に倣えば、サラリーマンとは、あまねく“挑戦者たち”
である。
全国三千八百万、日夜さほど重要でもなく「プロジェクトX」はおろか、NHK教
育「はたらくおじさん」でも取り上げてもらえないような仕事と戦い続ける“挑戦者
たち”にとっての明日への活力、それは何を隠そう仕事帰りの一杯だ。
そして、そんなサラリーマンにとっての桃源郷、『約束の地』、現代に甦ったエデン
の園、それがこの東京は吉祥寺にある立飲み屋「いせや」だっ!
まるで映画「千と千尋・・・」で八百万(ヤオヨロズ)の神々が集まってくる湯屋
を思わせる、独特の建物のつくりと、味のある照明の色合いであるが、ここに集まっ
てくるのは神々ではなく、景気のいい親方から、明日にも首吊りしそうな血色の悪い
お父さんまで、八百万のサラリーマンである。
ここで安ーい焼酎を飲めばホ〜ラ、あっという間に会社であったイヤなことを忘れる
どころか、インフルエンザになった鳥のことや、立てなくなった牛のことまで忘れて、
皮! 砂肝! 牛スジ! と、どんどんオツマミを注文してしまうぞ。
さぁキミも、この「いせや」で閉店の時間まで、膝がガクガクいうくらい立ち飲みを
続けて、体の安らぎと家庭の安らぎを捨ててまで、サラリーマンの心の安らぎを得てみ
ないか!?