食の宝庫、北海道。

オホーツク海に代表される新鮮な海の幸だけに留まらず、ジンギスカンな

どの肉料理からラーメンに至るまで、名産品を上げれば枚挙に暇がない。

 

だが、わざわざ北海道にやって来た本州の人間に、どこでも食えるような

ものをうっかり注文させてしまうという、魅惑のメニューもまた存在する

のだ。

それがこの、旭川市民が愛する庶民派食堂『さくら亭』のジャンボカレー

950円)だっ!

 

そもそもこのさくら亭、旭川では豚丼で名の知れた店とのことで誘われて

入店したのだが、メニュー表に書かれている「特大でびっくり」の文字に

惑わされた結果、ジャンボカレーを注文してしまうことに。

 

出てきた皿を見て確かにびっくり! これは、カレーの皿ではなく相撲取

りがフグの刺身食うときの皿なのでは?? 飯の量はざっと1kgといった

ところだろう。

そして、添えられた別盛のカレールーが2カップ。2人前ということなの

だろうが、これでも1kgの白米に対してはルーが微妙に足りず、食い進む

過程で苦労することになる。

なお、味は至って普通のカレーだった模様。

 

さぁキミも、旭川に行ったらこのさくら亭で、ジャンボカレーを注文する

のか、はたまた豚丼にするのか、両耳に憑りついた天使と悪魔の助言に翻

弄されてみないか?!

 

 

 

年寄の運転は危険である。

 

歩道に乗り上げて歩行者を轢いて、高速道路では逆走、コンビニに突っ込

み、挙句の果てには立体駐車場で壁を突き破って落下。

アクセルとブレーキと踏み間違えた? 全く以って意味が分からない。便

器と間違えてヤマザキの白い皿にク●しましたと言うのと同じだ。

 

そんな中、年寄の運転する車?で、これまた意味の分からないステッカー

を見つけた。

それがこの、車体後部に貼っている『追突注意』のステッカーだっ!

 

これは「自分はボケていて前方不注意で前の車に突然追突するかも知れな

いから、後ろを走ってるお前も巻き込まれないように十分注意しておけ」

という忠告なのだろうか? はたまた「自分はちょいちょいアクセルとブ

レーキを踏み間違えて急ブレーキを掛けるから、むしろ後ろを走ってるお

前の方が追突しないように注意しろ」という上から目線の警告なのか?

本当に理解できない。

 

さぁ、このHPを見ている爺さん婆さんも、ワケの分からないステッカー

を車に貼ってるヒマがあるのなら、毎日サンマやらイワシといった青魚を

食って、NHK「ためしてガッテン」見ながら両手の指でもグルグル回し

てろ!!

・・・って円楽さんが言ってました。歌丸です。

 

 

 

岩手県、やはりここは侮れない土地だ。

今回は、当HPで紹介済みの遠野市『居酒屋えっちゃん』にも匹敵する、

カオスな宿泊施設に行き着いてしまった。

 

それがこの、花巻市の『ビジネスホテルブドリ』だっ!

 

またしてもネタが豊富すぎるため、箇条書き且つ順不同で以下に内容を

記そう。

 

●元々は『来々』という中華料理屋が経営するビジネスホテルだったら

 しいが、現在中華料理屋は営業している気配がなく、かつて店舗だっ

 た部分はホテルのフロント兼、経営者夫婦(爺さん婆さん)の居住ス

 ペース?兼、宿泊者の食事会場になってるっぽい。

 

●店舗部分というか老夫婦の居住部分は半ばゴミ屋敷状態で、訳の分か

 らないもので散らかりまくっている。無論、撮れるような雰囲気では

 ないため写真はない。

 当初は朝食込み(プラス750円)で宿泊するつもりだったが、一緒

 に泊まる同僚が、こんなとこで飯は食えない(且つ何を出されるか分

 かったもんじゃない)と断固拒否したため素泊まりに変更。

 

●そもそも朝食を申し込もうとしたら、時間は朝7時限定、7時半以降

 は遅すぎて出来ません!と半ギレ気味で婆さんから言われた。

 ドリフのコントでは定番だが、この婆さんも耳が遠く、朝食に限らず

 個別のリクエストについては基本半ギレで聞き返すのがデフォルトの

 対応のようだ。

 

●ネット(楽天)の情報では門限23時と書いてあったので、飲みに行

 都合上、婆さんに再確認したところ「深夜の4時までは開いておりま

すよ」とのこと。

 きっと婆さんの起床時間なんだと思うが、その時間で改めて玄関を閉

める意味が分からない。24時間開けっ放しで良いんじゃ?

 

●宿泊者用の玄関でスリッパに履き替え、2階に上がると居室が並んで

 いるという民宿のようなスタイルだが、その共用廊下に冷蔵庫が1台

 置いてある。宿泊者が共同で使えということらしい。

 

●部屋自体は割と新しい感じで、フローリングにベッドが置いてある。

 が、布団からは前泊者のものと思われる「ミドル脂臭」が若干した。

 事前に危険を察知してリセッシュを持参したのは大正解だった。

 

●通常は民宿でも部屋に置いてあるポットもなく、設備はテレビ(しか

 もブラウン管)のみ。

 入室するときに婆さんが「テレビご覧になります? 見るのであれば

 セッティングしますからね」というのでお願いしたら、ただコンセン

 トを挿しただけだった。 

 

●テレビの上に手書きで「白黒テレビになってしまいました。ごめんな

 さい」と書いた紙がガムテープで貼ってある。

 見たところカラーで映っているのだが、どこかの時点で色が出なくな

 るんだろうか?

 

●ユニットバスには、見たこともないデカいボトルのいかにも業務用な

 ボディーソープとリンスインシャンプーが置いてある。

 そのリンスインシャンプーで頭を洗ったら、信じられないくらい髪が

 キッシキシになった。液体の色や香りも確認したが、どうもボディー

 ソープとリンスインシャンプーの中身は同じらしい。

 念のため同僚にも聞いてみたが、他の部屋ではそんなことはなかった

 らしい。個別トラップだろうか?

 

このように取上げれば枚挙に暇がなく、ツッコミどころ満載だ。

 

さぁキミも、興味と度胸があるならば、花巻でこのビジネスホテルブド

リに泊まって、ぜひとも朝食がどうなっているかについてのレポートを

求む!

(個人的には、中華料理屋だけに朝からラーメンか、もしくは爺さん婆

さんの朝食と同メニューと予想)

 

 

 

岩手といえば、千昌夫や新沼謙治に飽き足らず、遠野のカッパなど多くの

有名人を輩出している県であるが、そのカッパも驚く超ボリューミーな食

べ物が花巻市にあった。

 

それがこの、花巻駅近くにある食堂()中華料理屋()その名も『カッパ

飯店』のBセット(大盛)850円だっ!

 

このカッパ飯店、まずもって店の外観からして中々のレベルの高さなのだ

が、扉を開けるとテーブルが3つ程度しかなく、先客でほぼ席は埋まって

いる。どうしたものかと迷っていると、店員(おそらく家族)のおばちゃん

曰く、奥にも席があるという。

 

ただ、席に着く前に注文をということなので、ネットで下調べしておいた

Bセット(焼きそば+麻婆豆腐+ライスのプレート)を注文。ネットでは

「普通盛りでも結構盛りが良い割に、大盛りにしても量はさほど変わらな

い」という書き込みがあったため、ここは軽い気持ちで大盛りに。

ちなみにAセットは、焼きそば+カレー+ライスのプレートとなる。

 

さて注文後、件の奥の席というのを覗いてみて、更に驚かされることにな

る。

座敷は座敷なのだが、ふた間続きの和室は中央正面にテレビが鎮座してお

り、大きな飯台が計4つ。装飾といい雑然とした古臭さといい、これはま

るで昭和の親戚の家だ! これに仏壇と先祖の写真でも飾ってあればもっ

と完璧になる筈だ。

そして各飯台では、先客数人が思い思いの場所に座り、これまた親戚の家

で振舞われたかのように飯を食っている。雰囲気に馴染めない客は、まず

この時点でギブアップだろう。

 

そうこうしている内に注文したBセットが登場。ここで初めて、ネットの

情報が偽りであったことに気付かされる。

 

まずは焼きそば。紅生姜がやけに多い意外は何ということもない焼きそば

だが、量が通常の3〜4玉分もある。

次に、隣に盛られた白飯は、現在の「大衆食堂半田屋」ではなく昔の「め

しのはんだや」時代の小ライス(ベストエフォート時)ほどの量があり、

小ライスをそのままひっくり返したような感じだ。

そして、最後に控えるのが麻婆豆腐。片栗粉感がハンパないもったりとし

た作りで、その上、唐辛子がふんだん使われてとにかく辛い。これは、麻

婆豆腐というより「麻婆豆腐に似た辛い食べ物」だ。かつて仙台の佐々久

で唐揚げ定食(手榴弾)に添えられていた「スパゲティーに似た辛い食べ

物」を彷彿とさせるものがある。

 

締めて総重量1.5kg程度あるだろうか。自力で完食できるギリギリのサイズ

だった。それにしても辛い。

 

食後、仕事先で地元の人に経緯を話すと、大盛りにしてもさほど量が増え

なかったのは先代主人の爺さんが店をやっていた頃の話で、代替わりして

からは大盛りが巨大になったのだとか。

 

さぁキミも、花巻に行ったなら、このカッパ飯店のセットメニュー大盛り

を完食したなら、口直しにマルカンデパートのソフトクリームも食ってみ

ないか?!

 

 

 

○○のようで○○でない、ベンベン

□□のようで□□でない、ベンベン

それは何かと尋ねれば・・・

 

世の中には、男のようで男でなく、女のようで女でもないカルーセル麻紀

など、とかく曖昧なものが存在する。

そして、その代表例とも言うべき場所が、なんと秋田県にもあった。

 

それがこの、秋田駅すぐ近くにある、まるで床屋のような居酒屋、その名

も『正木理容』だっ!

 

この正木理容、お目当ての居酒屋に向かう道すがら偶然に発見したため、

入店も適わず詳細は分からず仕舞いだが、大きく描かれた「理容」の看板

の下には間違いなく「キリン一番搾り」の幟が見える。

 

慌てて撮った写真も暗く分かり難いが、裸電球?を思わせる灯りの下で、

サラリーマン風の男性客多数が立飲みをする姿からは、まさに大人のパラ

ダイスという雰囲気が漂ってくる。

 

さぁキミも、秋田に行ったらこの正木理容で深酒をして、翌朝ボサボサの

髪で会社に行き、何も知らない同僚から「もしかして髪型変えた?」と言

われてみないか?

 

 

 

○○のようで○○でない、ベンベン

□□のようで□□でない、ベンベン

それは何かと尋ねれば・・・

 

世の中には、男のようで男でなく、女のようで女でもない美輪明宏など、

とかく曖昧なものが存在する。

そして、その代表例とも言うべきものが、東北では岩手県にあった。

 

それがこの、花巻市が誇る宮沢賢治ゆかりの観光名所、その名も『イギリ

ス海岸』だっ!

 

このイギリス海岸であるが、ざっと挙げてみても

 

・訪れたのが3月だったためか、雪解け水?で海岸なのに増水している。

 

・観光地の割に(増水のため?)途中から立入り禁止になっている。

 

・対岸がえらく近いが、向こう側はフランスなのだろうか?

 

・そもそも、なぜこの岩手県内陸奥深くにイギリスやら海岸が??

 

とツッコミどころ満載だ。

 

はたと悩みつつ、しばらく景観に見入った挙句、個人的に得た結論は、

やっぱり別にイギリスでもなければ海岸でもないという、至ってシンプ

ルなものだった。

 

さぁキミも、このイギリスでも海岸でもない川岸を訪れた後は、盛岡まで

足を伸ばして、さほど美味くもなければ特別まずくもないジャジャ麺でも

食って、岩手県を堪能してみないか?!

 

 

 

「また、つまらぬ物を斬ってしまった・・・」

アニメ「ルパン三世」において斬鉄剣を振るった後、石川五ェ門が呟く言

わずと知れた名ゼリフである。

 

一方で、体に良くないとは知りつつも、ついついデカ盛りメニューを完食

してしまった後、自分も心の中で呟くセリフがある。

「また、よからぬ物を食ってしまった・・・」

 

そしてつい最近も、心ならずこのセリフを吐かせたメニューがある。

 

それがこの、北海道民熱愛グルメ、札幌市にある中華料理店「布袋」名物

のザンギ定食(890円)だっ!

 

この布袋のザンギ定食、大粒の唐揚げが7個もあり、ボリューム的には、

かつて当HPで紹介した、仙台の欅屋や山形市のあたご食堂に匹敵するも

のがある。

 

がしかし、欅屋・あたご食堂との最大の違いは、完食した後に「あー、も

う半年は唐揚げ食わなくていい」と後悔させない後味の良さである。

 

では、その違いは何かと言うと、秘密はテーブル備えつけのネギ入り甘酢

(写真奥)だ。このかけ放題の甘酢が、さっぱりとした味わいを保ち、食

後まで胃もたれを感じさせないのだ。

酢と同時に摂取することで、脂っこい唐揚げを大量摂取しても、さほど体

に悪いことをしてないように感じるのだが、これは実際にはただの思い込

みでしかないことは、ドイツ国会図書館の定説だ。

 

さぁキミも、札幌でこのザンギ定食を完食して、ベタで申し訳ないが自分

の食生活をザンゲしてみないか?!

 

 

 

岩手県遠野市。柳田國男著「遠野物語」でも知られる、妖怪の聖地のよう

な土地だ。

 

昨年11月のこと、仕事のため同僚と三人でこの地を訪れた我々は、たま

たま入った居酒屋で、妖怪の所業とも思える謎の体験をすることになった。

 

その舞台となったのが、遠野駅すぐ近く、通称「親不孝通り」にあるこの

居酒屋『えっちゃん』だっ!

 

このえっちゃん、短時間であまりにも色々なことが身の周りに起こり、と

ても纏めることが出来そうにないため、箇条書き且つ順不同で紹介するこ

とにしよう。

 

 

・店に入ると、まず中が薄暗く汚い。自分は小汚い系の店には慣れている

 というか、どちらかというと好きな方だと自覚しているが、これは「小

 汚い」の限度を超越している。

 

・カウンターの上になぜか、店の汚さとは対象的な、純白?淡いピンク?

 に光る東京スカイツリーの模型が置いてある。

 

・カウンターの中に一人居る小柄な婆さんが「えっちゃん」らしい。

 

・えっちゃんは自称80歳とのことだが、どう贔屓目に見ても85は超え

 ている。

 

・えっちゃんは明らかにヅラ。あした順子・ひろしの漫才で、ひろし師匠

 がオチで順子師匠から被せられる、あのヅラだ!

 

・おしぼりは、カウンターの流しでえっちゃんが手洗いし、そのまま手で

 絞って出してくる。老人で握力がないため、よく絞らておられずべちゃ

 べちゃだ。

 

・お通しとして、えっちゃん曰く「全然臭わない」というニンニクの味噌

 漬けが出てきた。次の日絶対臭うやつだ。

 しかも、見た目に「いま袋から出した」という雰囲気がなく、真っ先に

 賞味期限のことが頭をよぎる。

 

・焼酎のお湯割りを頼んだところ、おもむろに湯を沸かし始めたえっちゃ

 ん。だが、待ちきれないのかさっぱり沸いてない状態でお湯割りを作る

 ため、焼酎が生ぬるい。

 そして、この人肌温度のぬるさが、ただの焼酎に「もしかしてえっちゃ

 んの体内から出てきたのでは?」というような不安と、一層の小汚さを

 纏わせる。

 

・グラスとお通しの小鉢を載せるために、えっちゃんが我々に出したお盆

 は全部歪んでいる。グラスが不安定になって却って危ない。

 

・えっちゃん、おつまみを適当に作るというので待っていると、おでんの

 ほか、なぜか筋子とタラコが出てきた。

 おでんは、ネタ全般的に噛み応えが異常に柔らかく「一体いつ作ったん

 だろうか?」とまた不安にさせられる。更に、筋子は半ば乾燥してきて

 いる上、無駄にしょっぱく、冷蔵庫で相当な期間眠っていたものに違い

 ない。タラコにはもう手が付けられなかった。

 この辺りのやり取りは、志村けんの「ひとみ婆さん」のコントを彷彿と

 させるものがあった。

 

・その昔、仙台の「紅葉館」という旅館に泊まったというエピソードを盛

 んに語るえっちゃんだが、どう考えてもそんなホテルは仙台にない。

 (あとで調べたら同じ岩手県の花巻温泉の旅館だった。)

 

・その紅葉館は、館内の装飾や調度がえっちゃん曰く「あちらの国」っぽ

 くて落着かなかったらしい。「あちらの国」が一体どこなのかは、最後

 まで語らなかった。

 

・えっちゃんの口癖は「遠野は田舎だけどちょっと都会」。旅行で店に寄

 った客もそう言っていたらしい。

 

・えっちゃん、カウンターの中で何やら飲んでいる。聞いてもないのに答

 えて曰く、「玉ねぎの皮を浸した水」で焼酎(見てるとグラスにほんの

 数滴)を割ったものとのこと。更に、1本1万円もする野菜ジュースも

 少し混ぜるらしい。

 その野菜ジュース、完全に騙されて買ってるだろとは決して言えない。

 

・カウンターに座った我々の真後ろ、ボックス席に常連らしき客が二人居

 る。

 一人はえっちゃんと同年代ぐらいで、最初こそえっちゃんの手伝いなど

 もしていたが、そのうちボックス席で寝息を立てはじめた。

 もう一人は50絡み?で、酒癖が悪いのか終始大声で周りに毒づいてい

 るのだが、えっちゃんは耳が遠いのか完全にスルーしている。

 この耳が聞こえないくだりも、ひとみ婆さんと同じだ。

 

・話を聞いていて途中から明らかになってきたのだが、ボックス席で寝て

 る爺さんは、えっちゃんの連れ合いらしい。

 50絡みの方は、初めは一見客の我々に毒づいているのかと思ったが、

 これもよく聞くと、何かとえっちゃんに話かけたいだけで、主に毒づい

 てる相手は寝ている爺さんのようだ。えっちゃんのことを狙っているの

 か??

 

・店は朝7:30から開店しており、朝食も出すとのこと。思うに、もは

 や自分自身の生活と、店の営業との垣根がなくなってしまっているのだ

 ろう。

 

 

以上のような濃密なやり取りがあったのだが、酒を含めた口に入る物への

不信感があまりにも大きく、焼酎を2杯飲んだだけで、計30分ほどで店

を出ることに。

 

なお、翌朝になって同じ場所を訪れてみると、店のあった辺りは伸び放題

の草原に変わっていて、隣の店の主に聞くと「私も長くこの商売やってま

すが、そこは戦前からずっと空地のままですよ」と言われ、飲まされたの

は焼酎ではなく実は狸の小便だった・・・というような展開も予想したの

だが、昼の時間帯に訪れても、居酒屋えっちゃんはそのままの姿で建って

いた。

 

さぁキミも、遠野でこの居酒屋えっちゃんを訪れて、21世紀の生ける妖

怪の姿を後世に伝える、語り部としての貴重な役割を担ってみないか?!

 

 

 

キミは『ざる蕎麦』あるいは『もり蕎麦』という食物に対して、疑念を抱

いたことはないだろうか?

概ね主役である筈の蕎麦は食い足りない程度の量しかなく、最終的に蕎麦

湯で割ったつゆを飲むことで空腹を満たす。飽食の現代社会において、こ

のような事態が長く続いて良い訳はない。

 

がしかし、このような日頃の不信感を根底から払拭してくれる蕎麦が北海

道にあった。

 

それがこの、札幌大通り公園のテレビ塔地下にある蕎麦屋『そば処大番』

のもりそば(大盛)だっ!

 

この大番のもりそば、普通盛(400円)に200円をプラスすることでこの量

になるのだが、もはや蕎麦湯は不要というか、むしろこちらからお断りす

るレベルだ。

 

しかもこの蕎麦を食したのは、札幌ではまだ路上に雪が積もっている3月

初旬のこと。完食後、体が芯から冷え切ったことは説明するまでもない。

 

さぁキミも、真冬の札幌でこの大番のもりそば(大盛)を食べて、満腹と

引換えに心と体の温もりを奪われてみないか?!

 

 

 

世の中には、男でも「ヒロミ」や「ハルカ」など女みたいな名前を持つ人

がおり、誰しも一度は「なんだ男か」とガッカリしたことがあるのではな

いだろうか。

 

そんなケースが有名な店でも実際にあるのだが、それがこの札幌市の飲食

店『みゆきちゃん定食』だっ!

 

このみゆきちゃん定食、そもそも大盛りの海鮮丼、その名も「スペシャル

海鮮丼定食」がスゴイというので行ってみたのだが、確かに刺身はそこそ

こ乗っているものの、酢飯の量も少ない上、貝殻に盛られた塩辛やら魚卵

などの脇役でお茶を濁している感が否めず、結果的には肩透かしを食らっ

た形だった。

 

がしかし、海鮮丼そのものよりもインパクトがあったのが、店の中にみゆ

きちゃん(想像の中では気のいいおばちゃん)らしき人がおらず、気難し

げな六十絡みの爺さんが一人で切り盛りしていたことだ。

 

しばらくした後、爺さんの連れ合いらしきおばちゃんが店に入ってきて手

伝いをはじめたが、彼女もみゆきちゃんではないらしい。

他の客が爺さんに聞いたところでは、元々「みゆきちゃん」の母親がやっ

ていた店(娘の名前を店名にした)を譲り受けたのだとか。

 

ちなみに自分は、学生のとき担任の先生が黒板に「来週から機械工学概論

の講師は真美先生に代わります」と書いたため、同級生が「真美先生って

女?」と期待を込めて聞いたところ、「うーん、真美留五郎だったかな?」

と返事が返ってきたという、似たようなもっとヒドイ経験をしている。

 

さぁキミも、このみゆきちゃん定食でスペシャル海鮮丼定食を食って、二

重のがっかり感を味わってみないか?!